千手観世音菩薩

その昔、教祖先生の郷里の庄屋様が京参りの帰途、琵琶湖の波打ち際に流れ着いた一体の観音像を拾われ、持ち帰り祀りしておりました。ある大雨の夜中、「ドンドン」と鳴り響く太鼓の音に目を覚ました庄屋様は、不吉な予感に襲われ家族をみな起こして外に出ました。その直後、裏山が崩れて土砂が家に流れ込みました。みなは間一髪のところで救われたのです。その後も危機が迫るとこの観音様が太鼓をたたいて知らせてくださるのでした。庄屋様は、このありがたい観音様を里人のためにと、土地のお寺に寄進され、永く村人から「太鼓たたきの観音様」と呼ばれて、篤い信仰を受けておられました。
1953年(昭和28年)に洗心教団の本堂が建立された時、特にこの観音様を信仰されていた教祖先生の為に、時の御住職が「教団の御本尊としてお祀りして下さい」と、お譲り下されたのです。この観音様を一心に信仰する者はあらゆる苦しみから救われて、幸せな日々を送ることができます。